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胃や食道、十二指腸に病気がないか観察する胃カメラ検査ですが、「胃カメラ検査は苦しい」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
実際、直径8~9mmものチューブをのどに通さなくてはいけないため、苦痛や不快感を感じる方は少なくありません。
では、できる限り楽に胃カメラ検査を受けるにはどのようにしたらよいのでしょうか。
この記事では、胃カメラを飲み込むときの楽な方法について詳しく解説します。
麻酔や鎮静剤を使用するメリット・デメリット、苦痛を減らせる経鼻内視鏡の特徴などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
胃カメラ検査が苦しいといわれる理由は主に3つ挙げられます。
ここでは上記3つの理由についてそれぞれ解説します。
胃カメラ検査が苦しいといわれる理由の一つに、胃カメラがのどの奥を通過する際に起こる咽頭反射が挙げられます。
咽頭反射とは、舌の付け根の部分に胃カメラが当たるときに「オエッ」となってしまう現象です。
この咽頭反射は体の防御反応の一つで、自分でコントロールできるものではないため、「苦しい」「つらい」と感じる原因になります。
咽頭反射の強さは個人差がありますが、若い方のほうがその反応が強く出やすい傾向にあります。
反対にご高齢の方や脳疾患・神経疾患などの影響により嚥下機能が低下している方は、咽頭反射が出にくいです。
また検査時に感じる不安感や恐怖感も咽頭反射を強めてしまう原因となるため、あまり意識しすぎずリラックスして検査を受けることが重要となります。
胃カメラ検査が苦しいといわれる理由として、胃カメラがのどに触れる圧迫感が挙げられます。
胃カメラ検査は先端にカメラが付いた長いチューブを鼻または口から挿入する検査方法で、検査中は常に胃カメラがのどに触れていることになります。
このときに感じる圧迫感が、胃カメラ検査が苦しいといわれる理由となっているのです。
また検査に対し緊張や不安を感じていると、呼吸が早くなって余計に息苦しく感じてしまう場合もあります。
胃の中を空気で膨らます際に感じる腹部膨満感も、胃カメラ検査が苦しいといわれる理由の一つです。
胃は普段しぼんだ風船のような状態になっているため、胃カメラ検査を行う際は胃に空気を入れ、胃の中を膨らませる必要があります。
このときに腹部膨満感が生じますが、なかには一時的な腹痛を訴える方もいます。
胃カメラを楽に飲み込むためのポイントは以下の4つです。
ここでは上記4つのポイントについてそれぞれ解説します。
胃カメラを楽に飲み込むためには、正しい姿勢で受けることが大切です。
胃カメラ検査を受けるときは、体の左側を下にして横向きに寝る『左側臥位』という姿勢になります。
体を上に向けてしまうと胃カメラを挿入する際の角度によって痛みや不快感が生じやすくなり、唾液も出しにくくなってしまいます。
正しい姿勢のポイントは以下の通りです。
顔を後ろに背けたりすると余計に痛みが増す原因になるため、検査中は同じ姿勢を維持することが大切です。
上記のような点を意識することで楽に胃カメラを飲み込みやすくなるため、ぜひ試してみてください。
胃カメラを飲み込むときの痛みや不快感を軽減するためには、力を抜いてリラックスすることも大切です。
体に力が入っているとのどが締まってしまうため、余計に痛みや不快感が増してしまう可能性があります。
力を抜くときのポイントは、深呼吸をすることです。
鼻からゆっくりと息を吸い込み、その倍の時間をかけて口からゆっくりと息を吐き出しましょう。呼吸に意識を向けて深呼吸を繰り返すことで、自然と力が抜けていきます。
目を閉じるとのどの感覚に意識が向いてしまう可能性があるため、検査中はなるべく遠くぼんやりとみているとよいでしょう。
胃カメラを楽に飲み込むためのポイントとして、胃カメラの太さをイメージしておくことが挙げられます。
胃カメラの太さはうどんやストローをイメージするとわかりやすいでしょう。
また胃カメラはのどを通るときに咽頭反射が起こりますが、飲み込むときのイメージを持っておくとスムーズに胃カメラが通りやすくなります。
具体的には大きめの飴玉や薬を飲み込むイメージを持っておくのがおすすめです。
鼻から胃カメラを挿入する経鼻内視鏡検査の場合は、口を閉じて飲みこむことでよりスムーズに通りやすいです。
また胃カメラを飲み込んだ後は唾液を飲み込まないように注意しましょう。
唾液を飲み込むと気管に入ってしまう恐れや検査の邪魔になってしまう可能性があり、さらにのどが大きく動くことによって痛みが生じたり咽頭反射が起きたりする恐れもあります。
胃カメラ検査を楽に受ける方法として、麻酔や鎮静剤を使用する方法もあります。
麻酔や鎮静剤を使用することで、胃カメラを飲み込むときの痛みや違和感を感じにくくなります。
特に鎮静剤はウトウトと眠ったような状態になるため、検査に対する不安感や恐怖感が強い方でも気楽に受けやすいです。
不安が強いと検査中の苦痛がさらに大きくなる可能性があるため、心配な方は麻酔や鎮静剤を使用した胃カメラ検査を行っているクリニックを選ぶことをおすすめします。
胃カメラ検査の苦痛を減らせる方法として、表面麻酔や鎮静剤を使用する方法が挙げられます。
表面麻酔と鎮静剤のメリット・デメリットを簡単にまとめると以下の通りです。
表面麻酔 | 鎮静剤 | |
メリット |
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デメリット |
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ここでは表面麻酔と鎮静剤それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
表面麻酔は、表面の感覚を麻痺させる麻酔の種類です。
スプレー状のものやゼリー状のものがあり、のどや鼻に使用して検査時の痛みを軽減させます。
表面麻酔には主に以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
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鎮静剤と異なるのは、表面の感覚のみに作用するため検査中も意識がはっきりとしている点です。
経口内視鏡検査と経鼻内視鏡検査のどちらにも使用されており、少量のみのため副作用のリスクが低いメリットがあります。
ただし麻酔が効くまでに少し時間がかかるため、麻酔を使用しない場合と比べると検査全体の時間がやや長くなってしまいます。
鎮静剤は静脈に点滴し、ウトウトと眠ったような状態で検査が受けられるようになる麻酔の種類です。
痛みや苦痛を和らげるだけでなく、不安感や恐怖感を軽減できるのが大きな特徴となります。
鎮静剤のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
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鎮静剤を使用するメリットは、患者さんが楽に検査を受けられるようになるという点だけではありません。
患者さんがリラックスすることによって医師が胃をしっかり観察できるようになるため、検査精度が向上するメリットもあるのです。
ただし鎮静剤を使用すると検査後一定時間の休憩が必要になり、クリニックにいる時間が長くなってしまう点はデメリットといえます。
さらに検査当日は車やバイク、自転車の運転ができなくなるため、公共交通機関を利用するか家族や友人に送迎を依頼する必要があります。
また鎮静剤にはいくつか種類があり、種類ごとに効果や副作用が異なる点にも注意が必要です。
胃カメラ検査を楽に受けたい方は、鼻から内視鏡を挿入する『経鼻内視鏡検査』がおすすめです。
経鼻内視鏡検査には以下のような特徴があります。
ここでは上記3つの特徴についてそれぞれ解説します。
経鼻内視鏡検査は、経口内視鏡検査よりも刺激が少ない特徴があります。
経口内視鏡検査にある咽頭反射は、舌の付け根部分にあたることにより生じるものです。
経鼻内視鏡検査の場合は、舌の付け根部分に当たらずのど元を真っ直ぐ通るため、咽頭反射が起こりにくくなります。
さらに経口内視鏡検査では直径8~9mm程度のカメラが使用されますが、経鼻内視鏡検査で使用されるカメラの太さは5mm程度となり、経口内視鏡の約半分の細さです。
カメラが細い分刺激が少なくなるため、検査中に生じる痛みや不快感が減少します。
経鼻内視鏡検査は、医師と話しながら検査を受けられるメリットがあります。
検査中に疑問が生じた場合はその場ですぐに質問して解消できます。
また検査中に医師と自由にコミュニケーションが取れるため、不安や恐怖感が解消されやすい点も大きなメリットといえるでしょう。
検査画像を見ながら検査を受けたい方や、医師と話しながら検査を受けたい方におすすめです。
経鼻内視鏡検査は比較的苦痛が少ない検査方法ですが、鼻腔が狭い方や鼻詰まりの方は、痛みが生じてしまったり検査が受けられなかったりする可能性があります。
鼻腔の形状などによって鼻からのカメラ挿入が難しい場合は、経鼻内視鏡を口から挿入する方法や通常の経口内視鏡検査を検討する必要があるでしょう。
経鼻内視鏡検査が可能かどうかは医師が判断するため、まずは医師に相談してみましょう。
胃カメラ検査では、のどを通過するときに生じる咽頭反射がつらいという方が多いです。
この咽頭反射は神経反射で起こるためコントロールが難しいですが、正しい姿勢で受ける・力を抜いてリラックスする・胃カメラの太さをイメージするなどの方法によって苦痛を和らげられます。
特におすすめの方法は麻酔や鎮静剤を使用することです。
麻酔や鎮静剤を使用することにより、検査中に感じる痛みや不快感を軽減できます。
また経鼻内視鏡検査は経口内視鏡検査よりも楽に検査を受けられるため、そちらもぜひ検討してみてください。
大沼田メディカルクリニックでは、鎮静剤を使用した経鼻内視鏡検査を行っています。
軽くぼんやりとしたような意識レベルの低い状態で検査を受けられるため、胃カメラ検査で生じやすい痛みや不快感をほとんど感じずに検査を受けることが可能です。
楽な胃カメラ検査を受けたい方は、ぜひ当院まで気軽にご相談ください。
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