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胃カメラ検査は、胃や食道に病気がないかカメラで確認する検査です。
胃カメラ検査を受ける前には食事制限や下剤の準備が必要ですが、検査後の食事内容にも気を配らなくてはいけません。
この記事では、胃カメラ検査後の基本的な食事ルールについて詳しく解説します。
検査後にお勧めの食事メニューや控えたほうが良い食事メニュー、検査後に起こり得る症状、よくある質問などをまとめているためぜひ参考にしてみてください。
胃カメラ検査後の基本的な食事ルールは以下の通りです。
ここでは上記4つの食事ルールについてそれぞれ解説します。
胃カメラ検査直後から2時間は絶食が必要となります。
胃カメラ検査では麻酔や内視鏡の挿入によりのどや胃が刺激されるため、検査直後に食事を摂ると食べ物が気管に入ってしまう危険性があります。
2時間後すぐに普段の食事量に戻すのではなく、少量の食事から摂るようにしましょう。
胃カメラによって胃壁が刺激されたり空腹状態によって胃酸が分泌されていたりするため、急に大量の食事を摂ると胃が圧迫されてしまいます。
吐き気や痛みなどの症状が現れる恐れもあるため、少しずつ量を増やすようにしてください。
また食事の内容にも気を遣いましょう。
なるべく冷たいものや熱いものなどの胃に負担がかかる食べ物は避け、不快感を覚えたらすぐに食事をやめるようにしてください。
ゼリー飲料やおかゆなどの消化の良いものを選ぶのがおすすめです。
組織を採取した場合は検査当日の食事内容に注意しましょう。
胃カメラ検査で病変が見つかった場合、正確な診断を下すために組織採取を行うことがあります。
検査当日は消化の良いものを選び、刺激物や脂肪分の多い食べ物、アルコールなどは控えましょう。
組織採取直後にスパイスの効いた刺激の強い食事を摂ると、胃もたれや、組織採取部位の出血などが起こる恐れがあります。
検査後1〜3日目は胃にやさしい食事をとりましょう。
刺激物や脂肪分の多い食べ物は避け、消化の良いものを選ぶのがおすすめです。
煮物や蒸し物などのやわらかい食事は胃への負担を抑えられます。
選ぶ食材はもちろん、調理方法にも気を配ってみてください。
検査後4日目以降は徐々に普段通りの食事に戻していきます。
ただし組織採取をした場合は、まだ食事制限が必要となる可能性もあるため、医師の指示に従って食事をとりましょう。
胃カメラ検査後はなるべく消化の良い食べ物を選ぶのが望ましいです。
主食 | おかゆ、うどん、パン(食パンやロールパン) |
主菜 | 鶏むね肉、鶏ささみ、白身魚、鮭、卵料理、卵豆腐、納豆、豆腐 |
副菜 | ほうれん草、じゃがいも、かぶ、大根、キャベツ、人参、玉ねぎ、大豆製品 |
果物 | りんご、メロン、バナナ、桃、果物缶 |
その他 | 牛乳、ヨーグルト、チーズ、プリン、ゼリー、カステラ |
上記のような食べ物は胃腸に負担がかかりにくいため、胃カメラ検査後の食事に適しています。
脂肪分や食物繊維は消化に時間がかかってしまうため、なるべく脂肪の少ない肉や食物繊維の少ない野菜を選ぶようにしましょう。
また食事で胃腸の負担を減らすために、以下のようなポイントにも気を配ってみてください。
食材を小さく刻むことで消化しやすくなるため、胃カメラ検査後の食事ではなるべく食材を細かく刻みましょう。
鶏むね肉や鶏ささみ肉などの肉類を食べる際も、一口大よりも小さなサイズに切ることをおすすめします。
また調理方法も、煮る・蒸す・ゆでるなどの食材を柔らかくする方法を選ぶことで、消化しやすくなります。
検査後はおかゆや煮込みうどん、スープなどの噛みやすい食事メニューにし、味付けも普段より薄味にしましょう。
胃カメラ検査後に控えたほうが良い食事メニューには以下のようなものが挙げられます。
主食 | 炒飯、ラーメン、焼きそば、パスタ、そば、菓子パン、総菜パン、コーンフレーク、玄米 |
主菜 | 脂の多い魚(ウナギやさばなど)、脂肪の多い肉(ベーコンやハム、バラ肉など)、ホルモン、揚げ物 |
副菜 | とうもろこし、山菜、キノコ、さつまいも、ごぼう、たけのこ、こんにゃく、しらたき、海藻類、香辛料、ハーブ |
果物 | キウイ、イチゴ、柑橘類、スイカ、ドライフルーツ、パイナップル、ナシ、柿 |
その他 | ケーキ、チョコレート、ジャム、せんべい、ナッツ |
脂肪の多いものや刺激の強いもの、食物繊維の多いものなどは消化に悪いため、胃カメラ検査後の食事ではなるべく控えましょう。
脂肪の多いものは胃腸に負担がかかりやすく、検査後に大量に食べると胃もたれを起こす可能性があります。
特にベーコンやハムなどの加工肉、バラ肉などは脂肪を多く含むため、普段よく好んで食べる方は注意してください。
また健康に良いとされている食物繊維も、胃カメラ検査後はなるべく避けるのが無難です。
消化に時間がかかるものは胃腸に負担がかかるため、検査後は食物繊維の少ない食べ物を選ぶことをおすすめします。
胃カメラ検査後に起こり得る症状として以下のようなものが挙げられます。
ここでは上記5つの症状についてそれぞれ解説します。
胃カメラ検査後には吐き気や嘔吐が起こることがあります。
胃カメラ検査では胃を観察するために空気を送り込みますが、このときに胃に負担がかかってしまうためです。
検査で生じた負担が検査後に吐き気や嘔吐などの症状で現れることがありますが、時間の経過とともに症状が改善していくことがほとんどです。
翌日まで症状が残ることはほとんどありません。
胃カメラ検査後にはのどの痛みや違和感が生じることがあります。
胃カメラ検査ではのどをスコープが通って粘膜が刺激されるため、のどに痛みや違和感が残ることがあるのです。
またのどに麻酔スプレーをした場合は、麻酔が切れるまでのどの感覚が鈍り、違和感が生じる場合があります。
のどの痛みや違和感は数時間から数日で自然に治りますが、水分を十分に摂取したりうがいをすると症状が和らぐことがあります。
胃カメラ検査後には胸やけや胃もたれなどの症状が現れることがあります。
これも胃カメラ検査によって胃に負担がかかることで起こる症状です。
時間経過とともに徐々に症状は改善していきますが、消化酵素や整腸剤などの服用で症状を和らげることもできます。
薬を服用する場合は必ず医師に確認を取るようにしましょう。
また胸やけや胃もたれの症状が出ている間は、刺激物や脂っこい食べ物はなるべく控えてください。
胃カメラ検査後にはお腹の張りを感じることがあります。
胃カメラ検査では胃に空気を送り込むため、検査後に空気が残ると、お腹が張るような症状が出る場合があるのです。
注入された空気はやがて吸収されて無くなるため、それほど心配する必要はありません。
胃カメラで組織採取やポリープの切除を行った場合、出血が起こることがあります。
少量の出血であれば自然と止まるため、それほど心配する必要はありません。
しかし検査後に便や吐物が黒かったり血が混じっていたりする場合は出血の可能性があるため、すぐに医師に相談が必要です。
場合によっては再度胃カメラ検査を行ったり、入院による経過観察が必要になったりする可能性があります。
胃カメラ検査後の過ごし方に関するよくある質問をまとめました。
ここでは上記4つの質問についてそれぞれ解説します。
胃カメラ検査後はアルコールの摂取を控えましょう。
胃カメラ検査で胃を刺激した後にアルコールを摂取してしまうと、胃に大きなダメージを与えてしまうためです。
アルコールの刺激によって胃の粘膜が溶かされると、最悪の場合では出血や胃潰瘍などが起こる恐れもあります。
特に胃カメラ検査で組織採取やポリープ切除を行った場合は、より食事内容に気を配らなくてはいけません。
いつからアルコールを摂取しても良いかは医師の指示に従ってください。
胃カメラ検査後は喫煙を控えましょう。
喫煙は胃の粘膜を傷つけ、炎症を起こしたり出血を招いたりする恐れがあります。
アルコールの摂取と同様、胃に負担がかかるものになるため、医師の指示に従うようにしてください。
胃カメラ検査後に車を運転可能かどうかは、検査に鎮静剤を使用したかどうかで異なります。
鎮静剤を使用しなかった場合は、検査後に車やバイク、自転車の運転が可能です。
しかし検査に鎮静剤を使用した場合は、鎮静剤が切れた状態であっても当日は車やバイク、自転車の運転ができません。
検査後に一定時間休むことで問題なく歩ける状態になりますが、意識はしっかりしていても、運転はしないようにしましょう。
検査当日は公共交通機関やタクシーを利用するか、家族や友人に送迎を依頼するようにしてください。
胃カメラ検査では胃に負担がかかってしまうため、検査後の運動は控えましょう。
特に腹筋運動や前屈は胃に大きく負担をかけてしまいます。
また激しい運動や長風呂、サウナなどもなるべく控えてください。
胃カメラ検査で組織採取やポリープ切除などを行わなかった場合、検査前ほどしっかり食事制限をする必要はありませんが、検査後しばらくはなるべく胃に負担がかからない食事を心がけましょう。
胃に負担がかからない食事としては、脂肪分や食物繊維の少ない食事が挙げられます。
具体的にはおかゆやうどん、鶏むね肉、白身魚、ゼリーなどがおすすめです。
胃カメラ検査後の食事は、今回紹介した食事メニューを参考にしてみてください。
大沼田メディカルクリニックでは、痛みの少ない胃カメラ検査を行っています。
鎮静剤を使用して苦痛を感じずに検査を受けることも可能なため、胃カメラ検査の不快感や痛みなどが心配な方もぜひ当院まで気軽にご相談ください。
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