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胃や食道、十二指腸の健康状態を確認する胃カメラ検査ですが、どの程度の頻度で受けるべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
実は胃カメラ検査の適切な頻度は健康状態によって異なります。
この記事では、胃カメラ検査の適切な頻度について詳しく解説します。
胃カメラ検査を定期的に受ける方法や定期検査を受けるメリット、よくある質問などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
胃カメラ検査の適切な頻度は、以下のように健康状態によって異なります。
ここでは上記3つについてそれぞれ解説します。
特に気になる症状がない場合や過去に受けた胃カメラ検査で異常がみられなかった場合でも、1~2年に1回の頻度で検査を受けることをおすすめします。
胃や食道、十二指腸で発見できる病気の中には、早期段階ではほとんど症状が現れないものも少なくありません。
なかでも胃がんは早期発見によって死亡率が約1/2にまで減少したという医学的根拠もあり、早期発見・早期治療の重要性がわかります。
症状が出ていない早期段階で病気を見つけるためには、胃カメラ検査を定期的に受けることが大切なのです。
ピロリ菌の感染歴がある場合は年に1回の頻度で胃カメラ検査を受けることが望ましいです。
ピロリ菌に感染すると胃がんや胃潰瘍の発症リスクが高まるとされています。
1526人の日本人をピロリ菌感染者と非感染者に分けて行った7~8年間の追跡調査では、胃がんの発生率に以下のような違いが出ています。
上記の結果から、ピロリ菌は胃がんの原因であると結論付けられているのです。
ピロリ菌の除菌治療を行うことで胃がんや胃潰瘍の予防ができますが、発症リスクが完全に0になるわけではありません。
一度でもピロリ菌に感染していたことがある場合は、年に1回の頻度で胃カメラ検査を受け、胃潰瘍や胃がんの早期発見に努めましょう。
早期胃がんの治療を受けた場合は、年に1回の頻度で胃カメラ検査を受けましょう。
早期胃がんは内視鏡切除による根治的治療が可能ですが、再発リスクがある点に注意が必要です。
胃がんは進行が進むほど再発率が高くなり、90~95%は術後5年以内、80~85%は術後3年以内に見つかるとされています。
早期胃がんの再発率については北里大学病院の統計で示されており、早期胃がんの治療を受けた患者のうち、1年以上後に別の場所で再発するリスクは約10%あるとされているのです。
つまり10人に1人の割合で1年以上後にがんが再発する可能性があるため、定期的に胃カメラ検査を受ける重要性がわかります。
胃カメラ検査は、40歳を過ぎたら受けるのがおすすめです。
年齢が上がるにつれ病気の発症リスクが高まっていきますが、40歳以上になると胃がんや食道がんの発生率が急激に高まります。
特に胃がんは早期段階では自覚症状がほとんどないため、「特に症状もないし健康だから」といって胃カメラ検査を受けずにいると、知らない間にがんが進行してしまう可能性があります。
胃カメラ検査を受けることは、症状のない早期段階で病気を発見できるチャンスです。
腹痛や胸やけなどの自覚症状がない場合でも、40歳を超えたら胃カメラ検査を受け、その後も定期的に検査を受けて胃がんの早期発見に努めましょう。
また以下のような症状がある場合は、40歳以下でも年齢にかかわらず早めに胃カメラ検査を受けたほうが良いです。
上記のような症状は食道や胃、十二指腸に何らかの病気が発生している可能性があります。
また飲酒・喫煙習慣がある方や肥満の方、身内に胃がんにかかったことがある方なども胃がんの発症リスクがあるため、胃カメラ検査を検討してみましょう。
胃カメラ検査を定期的に受ける方法は以下の通りです。
ここでは上記4つの方法についてそれぞれ解説します。
会社に勤めている方は、労働安全衛生法で定められている内容に基づき、毎年無料で定期健康診断を受けられます。
ただし定期健康診断で受けられる検査項目は以下の通り基本的な項目のみとなります。
検査項目を個別にカスタマイズできない点はデメリットといえるでしょう。
人間ドックでも胃カメラ検査を受けられます。
ただし定期健康診断とは異なり、人間ドックは自己負担で検査を受ける必要があります。
人間ドックの費用は3〜10万円程度で、あまり安い金額ではありません。
また保険が適用されないため、全額自己負担となるのはもちろん、実施する施設によってかかる費用が異なります。
しかし人間ドックは定期健康診断よりも広範囲の検査項目があり、自分で検査内容を選べる点が大きなメリットです。
実施施設のなかには『胃カメラ検査人間ドックコース』といった胃カメラ検査に特化した人間ドックを行っている施設もあります。
高額な費用が懸念点となる人間ドックですが、企業によっては福利厚生として人間ドックにかかる費用を一部負担してくれる場合もあるため、自分の勤めている会社の福利厚生を一度確認してみるとよいでしょう。
自治体の胃がん検診を利用して胃カメラ検査を受ける方法もあります。
胃がん検診を実施している自治体では、一部の費用負担のみで胃カメラ検査を受けることが可能です。
例えば東京都杉並区では、50歳以上の杉並区民は1,000円で内視鏡による胃がん検診が受けられます。(※参照元:杉並区公式ホームページ│胃がん検診(胃内視鏡検査))
助成額の上限や対象年齢など、各自治体によって異なります。
お住まいの市区町村のホームページでチェックしてみてください。
定期健康診断や人間ドックはほかの検査とセットになりますが、自費診療で胃カメラ検査のみを受けることも可能です。
自覚症状があり、検査が必要と医師が判断した場合の胃カメラ検査は保険が適用されますが、無症状で患者さん自ら検査を希望する場合は保険が適用されません。
全額自己負担で胃カメラ検査を受ける場合の費用は10,000円〜12,000円程度が目安です。
またこの費用のほかにも、診察料やその他の検査費用がかかる場合もあります。
自費診療は医療機関ごとに費用が異なるため、検査を受けるクリニックは慎重に選びましょう。
胃カメラ検査の定期検査を受けるメリットは2つ挙げられます。
ここでは上記2つのメリットについてそれぞれ解説します。
胃カメラ検査の定期検査を受けるメリットとして、病気の早期発見・早期治療ができる点が挙げられます。
胃カメラ検査は症状のある病気を発見できるだけでなく、自覚症状のほとんどない早期段階の胃がんや食道がんを発見できる検査方法です。
特に死亡率の高い胃がんや食道がんは早期治療が重要な病気となるため、症状がなくても定期的に胃カメラ検査を受けることが推奨されます。
胃がんの発見には胃カメラ検査が効果的です。
胃がん検査には胃カメラ検査とバリウム検査の2種類の検査がありますが、早期胃がんは胃カメラ検査のほうが発見しやすいとされています。
2022年10月に日本消化器がん検診学会が発表した2019年のデータ集計では、胃バリウム検査は387万人中約2500人、胃カメラ検査は37万人中約610人に胃がんが発見されたことが示されています。
胃カメラ検査はバリウム検査よりも約2.5倍近い発見率であるため、胃カメラ検査は胃がんの早期発見に効果的といえるでしょう。
胃カメラ検査に関するよくある質問をまとめました。
ここでは上記3つの質問についてそれぞれ解説します。
胃カメラ検査では食道・胃・十二指腸の健康状態を確認し、病気の有無を診断できます。
胃カメラ検査でわかる病気には以下のようなものが挙げられます。
検査部位 | 胃カメラ検査でわかる病気 |
食道・咽頭 | 食道がん、逆流性食道炎、食道・咽頭乳頭腫、食道粘膜下腫瘍、食道静脈瘤、食道異物・咽頭異物、咽頭腫瘍 |
胃 | 胃がん、胃腺腫、急性胃炎、慢性胃炎、胃ポリープ、胃潰瘍、胃静脈瘤、ピロリ菌感染 |
十二指腸 | 十二指腸がん、十二指腸腺腫、十二指腸潰瘍 |
胃カメラ検査なら、自覚症状がほとんどない早期胃がんや食道がんも発見できます。
胃カメラ検査にかかる費用は、保険適用される場合と自費診療の場合とで異なります。
何らかの自覚症状があり、医師に胃カメラ検査が必要と判断された場合は保険適用で検査を受けられます。
保険適用の場合の胃カメラ検査の自己負担額は以下の通りです。
無症状で胃カメラ検査を受ける場合は自費診療となります。
検査を受けるクリニックによってかかる費用が大きく異なるため、自費診療で検査を受ける場合はクリニックを慎重に選びましょう。
胃カメラ検査の基本的な流れは以下の通りです。
ここでは大沼田メディカルクリニックの検査の流れを紹介します。
胃カメラ検査の頻度は健康状態により異なりますが、1〜2年に1回の頻度で受けるのが望ましいです。
特にピロリ菌に感染したことのある方や早期胃がんの治療を受けた方は、胃がんの発症リスクが高いため、定期的に胃カメラ検査を受けましょう。
定期的に胃カメラ検査を受けることで、胃がんの早期発見・早期治療につながります。
大沼田メディカルクリニックでは、鼻から内視鏡を挿入する胃カメラ検査を行っています。
鎮静剤の使用により検査中の不快感を軽減できるため、胃カメラ検査をためらっている方もぜひこの機会に当院まで気軽にご相談ください。
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